詰め物が取れた——受診までの数日、やってはいけない3つのこと
ガムを噛んでいたら、ガリッと硬いものが。
口から出してみたら、銀色の詰め物だった——。
詰め物や被せ物が取れるのは、珍しいことではないとされています。
慌てる必要はありませんが、「受診までの数日間」の過ごし方で、その後の治療が簡単に済むか、大がかりになるかが変わることがあると言われています。
まず、やってはいけないことから確認しましょう。
AI SUMMARY 30秒で読める要約
詰め物・被せ物が取れたときに避けたいのは、①自分で接着剤でつける、②飲み込んだ場合の自己判断のしすぎ、③痛くないからと放置する、の3つです。取れたものは洗って容器で保管し、取れた側で噛むのを控え、歯みがきはやさしく続けてください。痛みがなくても早めに予約の電話を——それが一番、歯を守る過ごし方です。
やってはいけないこと①:自分で接着剤でつける
一番避けたいのがこれです。瞬間接着剤やデンタル用をうたう市販品で、取れた詰め物を自分で戻すのはやめておきましょう。
「とりあえずくっつけておけば安心」に見えて、実際には治療の選択肢を狭める行為になりやすい、とされています。
自分で接着してはいけないとされる理由
- 正確な位置に戻すのは難しく、ずれたまま固まると噛み合わせが狂うことがある
- 接着剤が間に入ると、歯科医院で再装着できたはずのものが使えなくなることがある
- 隙間に細菌が残ったまま封をしてしまい、内側で虫歯が進むおそれが指摘されている
やってはいけないこと②:飲み込んだかも、で自己判断しすぎる
食事中に取れた場合、気づかないうちに飲み込んでしまうことがあります。飲み込んだ詰め物の多くは、そのまま便と一緒に排出されると言われています。
慌てて吐き出そうとしたり、過度に心配しすぎたりする必要はないことが多いようです。
ただし、注意したいケースもあります。飲み込んだときにむせた・咳き込みが続く・胸に違和感がある、といった場合、気管や食道の側に入っている可能性が否定できないため、歯科ではなく内科や医科の受診を案内されることがあります。
迷ったら、予約の電話の際に状況ごと伝えて相談してください。
「飲み込んだから詰め物はもう無い=歯は放っておいていい」とはならない点も押さえておきましょう。詰め物が無くなった歯そのものは、むき出しの状態です。
やってはいけないこと③:痛くないからと、そのままにする
取れた直後は、意外と痛くないことがあります。それで受診を先送りにしてしまう方が少なくないようです。
ただ、詰め物の下の歯は、本来の硬いエナメル質より柔らかい層が露出していることが多く、虫歯の進行や欠けが起きやすい状態とされています。取れた側で噛み続けると、歯が欠けて詰め物が戻せなくなることもあるようです。
放置のリスクについて詳しく知りたい方は別の記事で扱っていますので、ここでは「痛くなくても早めに予約の電話を」とだけお伝えしておきます。
受診までの過ごし方——3つのポイント
1. 取れたものは捨てずに保管する。洗って、小さな容器やジッパー付きの袋に入れて保管しましょう。状態によっては、そのまま再装着できる場合があるとされています。ティッシュに包むだけだと、誤って捨てやすいので注意してください。
2. 取れた側で噛むのを控えめにする。反対側で噛むようにし、硬いもの・粘着質のもの(キャラメル、ガム、お餅など)は避けたほうがよいと言われています。極端に熱い・冷たい飲食物がしみることもあります。
3. 歯みがきは、やさしく続ける。穴になった部分は食べかすがたまりやすいので、磨かないのは逆効果とされています。痛みがない範囲で、やわらかめに磨いておきましょう。
予約の電話で伝えるとよいこと
急患としてどのくらい早く診てもらえるかは医院によって違います。かかりつけがある方は、まずそこに電話を。
詰め物を入れた医院なら、経緯が記録に残っているぶん話が早いことが多いようです。
取れた詰め物は「壊れた」のではなく「外れた」だけのこともあります。慌てず、でも先送りせず——それが一番、歯を守る過ごし方です。
電話で伝えるとスムーズなこと
- 詰め物(被せ物)が取れたこと、取れた日
- 取れたものが手元にあるか、飲み込んでしまったか
- 今、痛みやしみる感じがあるか
受診時に確認したいこと
診察時に聞きづらいことほど、先に整理しておくと相談しやすくなります。気になるものをメモして、受診時に確認してみてください。
- 取れた詰め物は、そのまま再装着できる状態ですか? 作り直しになる場合、何が理由ですか?
- 取れた原因は何が考えられますか? 同じ場所で繰り返さないためにできることはありますか?
- 治療が終わるまで、食事で気をつけることはありますか?
- 作り直しになる場合、保険と自費でどんな選択肢がありますか?
- 他にも外れかけている詰め物や、リスクの高い歯はありますか?
よくある質問
取れた詰め物を自分で接着剤でつけてもいいですか?▾
避けたほうがよいとされています。ずれたまま固まると噛み合わせが狂うことがあり、接着剤が間に入ると再装着できたはずのものが使えなくなる場合もあります。細菌を封じ込めて内側で虫歯が進むおそれも指摘されています。
詰め物を飲み込んでしまったかもしれません。大丈夫でしょうか?▾
多くはそのまま便と一緒に排出されると言われています。ただし、むせた・咳き込みが続く・胸に違和感がある場合は気管や食道側に入った可能性が否定できないため、医科の受診を案内されることがあります。予約の電話で状況ごと相談してください。
痛くないのですが、すぐ受診したほうがいいですか?▾
取れた直後は痛くないことも多いのですが、詰め物の下は柔らかい層が露出していることが多く、虫歯の進行や欠けが起きやすい状態とされています。痛みがなくても早めに予約の電話をすることが勧められています。
取れた詰め物はどう保管すればいいですか?▾
洗って、小さな容器やジッパー付きの袋に入れて保管してください。状態によってはそのまま再装着できる場合があるとされています。ティッシュに包むだけだと誤って捨てやすいので注意が必要です。
取れた歯のところは磨かないほうがいいですか?▾
磨かないのは逆効果とされています。穴になった部分は食べかすがたまりやすいため、痛みがない範囲で、やわらかめの力でやさしく磨いておくことが勧められています。
この記事に関連する医院の探し方
該当しそうな場合は、以下の条件を確認すると医院選びの参考になります。
- 急患対応の目安(当日〜数日以内に診てもらえるか)を電話で教えてくれるか
- 再装着できるか・作り直しかの判断理由を説明してくれるか
- 作り直しの場合、保険・自費それぞれの選択肢と費用を並べて示してくれるか
- 取れた原因(噛み合わせ・食いしばり・虫歯など)まで確認してくれるか
まとめ
詰め物が取れたら、自分で接着しない・飲み込みは状況次第で医科にも相談・痛くなくても放置しない、の3つを守りましょう。取れたものは容器で保管し、取れた側で噛むのを控え、歯みがきはやさしく続ける。そのうえで早めに予約の電話を入れ、取れた日・手元の有無・痛みの有無を伝えるとスムーズです。